【調査】バングラデシュの貧困はなぜ起きる?

アジアの最貧困国と言われているバングラデシュ。

バングラディシュは、近年、アパレル産業の外貨投資が進むなどで年7%の経済成長が続き、生活水準は上がりつつある。

しかし、同時に経済格差が広がりを見せ、貧困率は約30%とも言われている。


調査の結果、バングラディシュの貧困の原因は、大きく2つあることが判明した。



バングラデシュの貧困の原因1:自然災害の多さ

バングラデシュは、国土のほとんどが熱帯モンスーン気候であり、毎年のようにサイクロンや竜巻が発生し、自然災害が起こりやすい国として世界に知られている。


ガンジス川、プラフマプトラ川、メグナ川流域に位置することから、毎年のように大小問わず起こる洪水や高潮、土壌侵食が起こり、乾季の干ばつによる被害も深刻な問題である。


バングラディシュの就業人口の半数以上は第1次産業に就いており、このような自然災害の影響をまともに受けている。


バングラディシュの国民は昔ながらの工夫をしているにも関わらず、毎年多くの人が犠牲となっているのだ。


被災を繰り返しても危険な地域から脱却できず、被災と貧困のスパイラルに陥る。気候変動などの影響から、移動を強いられた人は600万人にも上る。


バングラデシュの貧困の原因2:児童労働と教育


バングラディシュでは今も児童労働が後を絶たず、約700万人以上の子どもが労働していると言われている。


とくに首都ダッカでは、児童労働の割合が高い。


経済状況により貧困率が改善しているとはいえ、貧困層がなくなったわけではなく、多くの子どもが働かざるを得ない状況にある。

児童労働をしている子ども達は劣悪な環境で、低賃金で労働させられていることも多い。


バングラデシュでは、約620万人(4人に1人)以上の就学年齢の子どもが学校に通えない状況にある。

学費は無償ではあるが、制服や給食、文房具などにかかる費用を払えない、自然災害の被災による移動で学校が遠くなった、児童労働のためなど理由はさまざま。


多くの子どもが教育を受ける機会を失い、貧困の連鎖が続く原因となっている。


バングラディシュでは学校を修了しないケースも目立つ。


学生人口が3,000万人以上いるにもかかわらず公教育は整備は十分ではなく質が低いことも原因の1つだ。


そのため、富裕層の多くは質の高い授業を受けるために塾へ通う。


授業料の高い塾ほど講師の質も高く、多くのお金をかければかけるほど、良い学校に進学し高い収入を得られるようになるという社会システムが出来上がり、経済格差がますます広がる原因となっている。




バングラディシュの貧困の原因3:ジェンダー(女性の貧困)

バングラディシュでは、ジェンダーによる差別も深刻だ。


バングラディシュでは伝統的に女性の地位が低く、社会的に規定した女性への役割の意識が色濃く残り、女性の雇用機会や就学を阻害している。


バングラディシュの女性は、若いうちに親の命令で結婚させられる。結婚後も家庭内では十分な食事もとれず、家事労働従事し医療機関受診率も低い。


妊娠しても十分な医療設備のない場所で出産し、命を落としたり、死産になることも少なくない。


結婚後に別居や離婚をした多くの成人女性や少女は、その後、職に就けず貧困へと追いやられる確率が高く、ホームレスや飢餓、病気になるケースが多数見られる。


バングラディシュでは、女性が生計を支えている家庭の貧困率が極めて高いと言われている。


そのため、貧困を恐れる女性は人権侵害を伴う結婚生活に閉じ込められていることも多い。


バングラディシュでは、結婚して家を出ていく女児には、教育は必要ないと考えられていることも多い。バングラディシュには児童家事使用人が存在し、その8割が農村部出身の女児。


少ない給料しか支払われず朝から晩まで働かされ、言葉や身体的暴力、性的暴力を受けていることも多いのだ。


このように、バングラディシュでは、ジェンダー差別により女性の貧困の連鎖が続いている。

バングラディシュの貧困の原因4:インフラの未整備

バングラディシュは、北海道ほどの広さで約1億6千万人の人口規模と人口密度は日本の3倍程度。


豊富で安価な労働力やマーケットにより、多くの外資系企業の進出先として近年注目されている。


しかしながら、インフラ(道路、電気、港湾施設、通信および情報伝達手段、貯蔵庫など)の未整備も問題となっている。


ミャンマーよりはマシだと言われているが、バングラディシュでは日常的に停電が発生するため、海外企業は事業を継続させるために自家発電設備が必要不可欠。停電による商品の品質低下を防ぐために100%自家発電で稼働している現地工場もあるほどだ。


道路事情も深刻で、車が混雑しほとんど動かなくなることもよくある。朝夕のラッシュ時には、車が30分程度動かなくなるような交通渋滞は当たり前の光景になっている。


外資系企業の進出が増加する中で、自動車の数も増えると予想され、しばらく道後事情が改善する見込みはない。


首都ダッカでは、バングラディシュ初となる都市鉄道の建設が計画されているが、数年後になる見込みだ。


このようなインフラの脆弱性が外資進出の妨げとなり、貧困率が改善しない要因の1つとも言われている。



まとめ

バングラディシュは、急速な経済成長とともに貧困率は現象傾向であるが、貧困層がなくなったわけではない。

貧困の原因となる、自然災害や教育、児童労働など解決すべき問題は依然多い。


貧困や気候変動は世界で取り組むべき課題であり、SDGsの目標としても掲げられている。

人類が同じ地球で暮らしていくために、日本でも1人1人ができる支援を考えることが必要ではないだろうか。


0件のコメント